藤本寿徳ブログ

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海が見える敷地の話1(田尻)












福山から鞆の浦に向かう県道の横に家を建てる計画が進んでいます。

170年前から7代続いて住み続けてきた土地。この敷地が道路の拡幅計画によって立ち退きにあい、敷地がとても狭くなってしまう状況にある。
僕が最初敷地を見て、この話を聞いたとき、さすがにひどい話だと思った。敷地の奥行きは、今ある25mの奥行きが5mしか残らない。ただ幸いだったのが、海沿いの部分が残されたことだろうか。

この土地への愛着が大きい依頼主の思いを受け設計を進めてきた。
今まで立て替えも含めて、ここに建ってきたどの建物にも負ける訳にはいかない、かつて携わってきたであろう何人もの大工さん達に対して恥ずかしい仕事はできないという思いもあった。

ようやく設計が終わり、建物内外に連続感を持たせることで広がりを感じることができ、今以上に海景の魅力が生活の一部になるような豊かさを持つ家になったと思う。
新築だけれども、昔からそこにあったかのように感じられるようにと、周囲の景観にも配慮したつもりだ。その端緒として石積みの波止や石垣との連続性を考えた建築としている。コンクリートだが今まで手がけてきたものとは雰囲気が変わったものになるだろう。

海に面した魅力的な敷地に出会えるのも設計者としてとても嬉しいことだ。
いよいよ来月から工事が始まる。

上は60年前頃の敷地
下は現在の敷地

13:11, Thursday, Aug 27, 2009 ¦ 固定リンク