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藤本寿徳

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2013年11月11日

ツルツルピカピカでないほうがいい
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ここにある3枚の写真は違う建物のファサードを撮ったものです。

壊れた古い建物ではなく、改修するときにわざと、下地の石積みや土の荒い質感を部分的に見えるようにしたものです。

左官仕事で、土壁を全て覆って綺麗に均一に仕上げるより、ちらっと石を見えるようにしたことで、その建物が、しっかりした作りであることが感じられます。

スイスの村を歩いていて、このような建物は、ごくまれに出会うというよりも、数は多くないけど「山椒は小粒でもぴりりと辛い」的な割合で、普通にそれぞれの地域に建っています。

このような建築は村全体の景観にもいい影響を与えていて、テイストという意味では新築、改築・改修建築の間にも共通性が生まれ、新築の建築が混じってきてもそのファサードのテイストは、このような「味」の出る材料が使われています。

そのことで、村が統一された美意識、景観の中でまとまっている感じがするのです。

これは日本では珍しいのではないでしょうか。伝統的建造物群保存地区にあっても、その中に入ってくる新築で使われる材料はフェイク感あり、茶や黒色をした工場製品が多用されているのを見てガッカリします。

スイスの村では新築でも日本でよく見られる「ツルツルピカピカ」の工業製品の建築材料には出会いません。
わざと、時間の移ろいを感じられる材料やその使用方法が選択されています。

「田尻の家1」のコンクリート表面は、サンドブラストをかけわざと荒く仕上げていますが、上のような意図のもとに選択したものです。
「那須の家」では雨樋がないため外壁が汚れていき、周辺の樹々の中で建物が背景と化していき緑が浮かび上がることを意図しています。
周辺環境との関係における判断で、汚れ方をイメージしながらコンクリートを使うことがあります。
時間がたって汚れていく中で、構造的な強さを保ちながらも、しっとりとした古美かたを良しとしています。

09:49, Monday, Nov 11, 2013 ¦ 固定リンク


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