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藤本寿徳

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福山市にお願いしたいこと(設計プロポーザルをめぐって)
〜福山市鞆支所・鞆公民館建設工事設計委託プロポーザルの募集要項を読んで

新聞報道(*1)にあったように、福山市は福山市鞆支所の設計者をプロポーザルで選ぶという嬉しいニュースがありました。

公共建築の設計者を選ぶ方法には、大別すると
1 入札方式
2 コンペ・プロポーザル方式
という2種類のやり方があります。(他には、特命方式、QBS方式)

1の入札方式は設計料(建物の工事費ではない)が安い設計者を入札で選ぶもの、
2は提案された設計案をもとに選ぶものです。

魅力ある公共建築を創造するためには、設計料の安さではなく案で選んだほうが確実なのは当然で、永らく続いてきた慣習が国土交通省のリードのもと(*2)、全国的にプロポーザルによる設計者選定に変わってきている時期であります。

広島県でも、「魅力ある建築物創造事業」を実施し(*3)、
広島型建築プロポーザル方式を確立・実施し、
かつ、
広島型建築プロポーザル方式を市町に普及しようと努めています。
そのために、建築の諸団体と協定を結び、専門家の意見を多くとりいれようとしています(*4)

(解説) 広島型建築プロポーザル方式の特徴

1 設計者選定におけるプロポーザル方式:優れた<設計案>を選ぶコンペ方式と異なり,技術提案を募集して優れた発想力やデザイン力を有する<設計者>を選ぶ方法
2 設計者選定の審査体制の充実や公正性の確保を図るため,建築学会,建築士会,建築家協会 との包括協定を締結
3 市町のまちづくり部局職員の審査への参加
4 公募により,広く参加者を募集

そのような中での、今回の福山市のプロポーザル実施は、魅力ある公共建築を創造するための大きな試みです。

お願いごとというのは、
今後プロポーザルが開催される時の話ですが、今回の募集要項(*5)にあるところの

1 プロポーザルの参加資格

「a 福山市の 2013 年度(平成 25 年度)・2014 年度(平成 26 年度)の測量・建設 コンサルタント等業務(建築関係建設コンサルタント業務分野)の「建築一般」 又は「意匠」の部門に係る一般競争入札又は指名競争入札の参加資格の認定を 受けている者であること。」

簡単にいうと、「福山市に設計料入札の参加願いを出していること」という項目の見直し。

建築家の中には、職能倫理として入札を良しと考えずに入札参加願いを出さない建築家がいること、プロポーザルをするのであれば入札参加願いという性格の異なる手続きをしている必要がないのでは(むしろ自由な参加ができず弊害になるのでは)と思うこと

システムの変革期の試行錯誤の時期かと思いますが、「魅力ある建築物」のために参加資格がより柔軟なものになってくれれば嬉しいです。


海外に建築視察旅行に行くと、住民が建築物、建築家のことについて詳しく、目的の建物をガイド、道案内をしてくれることがあります。建築文化が根付いていて、住民が日頃から関心を抱き建築に詳しいことを羨ましく思ってきたのですが、
福山も提出案や審査過程が公開され、海外のように建築文化が成熟することを期待しながら、今回のプロポーザル開催に福山の明るい未来への希望を感じています。




(2013年10月14日)


(*1)中国新聞「鞆支所再整備の業者公募」
https://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn201310040033.html

(*2)国土交通省「設計者選定手法」
http://www.mlit.go.jp/gobuild/sesaku_proposal_proposal.htm

(*3)広島県ホームページ「広島発!”魅力ある建築物”」
http://www.pref.hiroshima.lg.jp/site/miryoku/

(*4)同、「魅力ある建築物の創造に向けた連携協力に関する協定」の締結について
http://www.pref.hiroshima.lg.jp/uploaded/attachment/99036.pdf

(*5)福山市「福山市鞆支所・鞆公民館建設工事設計委託プロポーザルの実施について」
http://www.city.fukuyama.hiroshima.jp/life/detail.php?hdnSKBN=A&hdnKey=12473
11:58, Monday, Oct 14, 2013 ¦ 固定リンク

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