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藤本寿徳

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和鋼
「玉鋼」

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現在、全国でたたら吹きを行っている個人やグループは結構あり、自分もいつかは砂鉄を集めるところからはじめ、たたら吹きで鋼をつくる経験をしたいと思っている。

たたら吹きによって、砂鉄が溶けた塊であるケラができるが、その中からより純度の高い部分である玉鋼が取れる。この玉鋼が日本刀の材料となる。現代の製鉄所でできる鋼は不純物が残ってしまい日本刀には不向きである。

写真は全国で唯一操業している「日刀保たたら 」で作られた玉鋼である。
玉鋼にも等級があるのだが、1級Aランクのものである。純度が高いためか全く錆もなく、鉄本来の輝きと質感を教えてくれる。

たたら吹きは3日3晩ぶっ通しで行れ、これを一代(ひとよ)と呼ぶ。この間、火との闘いである。操業開始前には「火入れの神事」を行い、金屋子神に操業の無事と良質のケラができることをお願いする。単なる鉄とは僕には思えなく、高い精神性を感じている。

(たたらの話)http://www.hitachi-metals.co.jp/tatara/index.htm



「千年の釘」

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これは、薬師寺再建に使われた和釘の話で有名な「千年の釘」です。松山市に工房を構える鍛冶職人、白鷹幸伯さんの手になるものです。

こちらも、現代の製鉄所から作られた鋼では、錆びやすく千年も持つ和釘ができない。
そこで、鉄の研究者や日本鋼管(現JFE)の協力で高純度の極めて不純物が少ないSLCM鋼がこの和釘のために特別に作られました。

和釘はさらにこれを白鷹さんが鍛え上げたものです。和釘には「萬民豊楽 荘厳國土」と刻印されており、白鷹さんの平和への願いが込められています。


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写真は1348年建立の明王院五重塔(国宝)で使用されていた和釘(福山城博物館蔵)
たぶん、1959年(S34) の西岡常一さんによる解体修理の時のものでしょうか。

余談ですが、西岡さんは修理時に1/10の五重塔の模型を作成していて、国立歴史民俗博物館に所蔵されています。
また、西岡さん作成の鞆の沼名前神社能舞台の模型が鞆の浦歴史民俗資料館に所蔵されています。
10:21, Wednesday, Dec 17, 2008 ¦ 固定リンク

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