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藤本寿徳

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建築文化
 例えば駅の話題。鉄道駅の設計は、辰野金吾が設計した赤煉瓦の東京駅など、鉄道の黎明期は良い駅を造ろうという気概で造られていたのでしょうが、戦後は合理的な発想で進められた簡単な駅舎ばかりです。
 門司港駅(駅舎として初の国重要文化財)や東京駅など、当時手間をかけて設計された良い物は、当然、建設当時はお金も余計かかっているのでしょうが、現代でも残され活用されている、そうやって文化がストックされていきます。東海道、山陽新幹線の駅舎は、簡単なものばかり、どの駅舎も同じようなものです。

 駅だけの話ではないのですが、公共施設、土木の分野などの、景観の要素の一つ一つが大事に造られたらいいのですが、標準化の設計で進めている(駅や小学校など皆同じに見える)現状が変わればいいと思います。
そのためにはまず発注者が望まないと始まりません。それを情熱をもって設計にあたる建築家に依頼して、長く残って良いものを望むなら予算も多くかけないといけないでしょう。

 さらに重要な事は、発注者と一般の市民が、美しい駅舎の事例をたくさん知っていることが必要です。駅舎だけではないのですが、例えば、小学校、公民館、文化センター、図書館でも、日本も世界も現代も過去も、たくさんの秀逸な事例を知っていれば、自分達に必要なものを考える時大きな参考になります。いいかえれば、何ができるか、どこまでできるか、自分達の限られた知識の中から脱皮して問題にあたることが可能なのです。良い事例をたくさん知れば夢も膨らみ、何を望むかが初めて選択できるようになります。僕が思う「建築文化」はそういうものなのですが、残念ながら日本ではまだ未成熟です。市民があまり建築に関心が無いということは憂うことです。

 例えば、九州新幹線全線開通を機にJR熊本駅が立て替えられる予定なのですが、JR九州は安藤忠雄さんに設計を委託しました。(2016年完成予定、特命での設計依頼だと思う)
また、熊本駅東口駅前広場(暫定形)は設計プロポーザルコンペで決定した、建築家の西沢立衛さんが設計にあたります。
(追記7/16:その後、熊本駅西口駅前広場もコンペが行われ、佐藤光彦案に決定しました。)
 
 JR北海道岩見沢駅では立て替えのため、H17年「岩見沢駅舎建築デザインコンペ」が行われ376作品の応募があり公開審査によって選出されました。(H19.6完成予定)
 
 このような設計者選定の経緯や、コンペの中でどのような提案が出たかということを知っていれば、我が町もと夢が広がります。設計者は市民から期待されれば、期待を背負い、また味方にして、熱意を持ってその期待に応える案を、自身の存在をかけ考え抜きます。対して設計料入札などで決定する多くの場合では、「あなたが一番安かったから選んだ」のなら、設計者が腕を奮えるムードが最初から欠けています。

僕の好きな建築家、内藤廣さんも現在、(http://www.naitoaa.co.jp/
 JR日向市駅舎と駅前広場
 旭川市鉄道高架橋と駅舎
 JR四国・高知駅舎 といった鉄道の駅を手がけています。まだ設計段階、工事段階なので完成写真はありませんが、今までの作風を知っていることもあり、ホームページに載っている模型写真からいい駅になる期待充分です。

まず、たくさんの建築事例を知り夢を語り合うこと(建築文化)が、自分たちの町が美しくなる一歩です。
19:19, Wednesday, Jan 09, 2008 ¦ 固定リンク

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