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展覧会中止のお知らせ!
「感染急拡大に伴う福山市における対策強化」
の取り組みのため、ふくやま美術館が臨時休館になりました。
2日間開催の幻の展覧会になってしまいました。
https://www.city.fukuyama.hiroshima.jp/uploaded/attachment/199547.pdf |
19:06, Sunday, Aug 08, 2021 ¦ 固定リンク
「美の規範がないことについて」
福山の街並みは絶望的なまでに汚いと思っています。
そのことから話を始めます。
福山に限ったことではなく、日本全体がそうだと言えるのですが。
それとは対照的に、一度しか訪れたことがないのですが
スイスの街並みはとても美しいと思っています。僕の美意識にマッチします。
スイスの街並みの美しさを言葉にすると
「ストイシズム、シンプル、モデスティー」というキーワードがあげられます。
ストイックな人というと、悪いイメージを持たれる方も多いかと思いますが、
その意味、思想を正しく理解すると、それを素晴らしいことだと受け止めています。
その精神は、田舎の風景にも、都市部の商業建築や看板にも感じることができます。
シンプルという言葉の奥深さを説明する時に、
私はAppleのデザイナー、ジョナサン・アイブの言葉を引用します
「深く揺るぎない美しさは、シンプルさ、明確さ、効率の良さの中に存在する
真のシンプルさは、単に不要なものや装飾を省くだけでは生まれない
それは、複雑さに秩序をもたらす作業である」
apple製品の美を支えるデザイン哲学に共感します。
建築設計も様々な諸条件へ秩序をもたらす作業です。
それをシンプルにまとめあげる事が大事です
モデスティー(Modesty )という言葉は、謙虚さ、清貧という意味で使っています。
スイスの街並みを見て思うのは、これら3つののデザイン思想です。
結果的に周囲の美しい自然が浮かび上がり、美しい街並みが形成されています。
スイスの話をしてきましたが、スイスを見ているとこの「美の規範」が
共有されている事の素晴らしさに気づきます。
翻って日本には、日本の美の規範が共有されているのでしょうか?
規範が共有されているかいないかと言う事を問題にしたい。
スイスと日本では、気候風土、自然の植生、地理的歴史的背景からくる国民性など、
全く状況が異なっています。
日本は、温帯モンスーンに属する猥雑なアジア圏です。
スイスと同じ美の規範が共有される事を望んでもそれは不可能な事だと思っています。
しかし、それでも日本なりの「美の規範」が共有される時代が来ればといいと思います。
街並みが汚いのは、設計者の責任ではありません、市民一人一人の感性の集積です。
(設計者も市民の一人)
時間をかけてでも、瀬戸内の美しさに導かれた「美の規範」が
市民間で醸成される時がくることを
100年先、200年先の遠い未来になるのでしょうけど期待しています。
歴史を振り返ると、街はより美しくなる方向へ進んでいるので、
放っておいても自然とそうなる(民度が高くなる)
と楽観的でもありますけれども。
僕は都市に対しては絶望しています。それは欲望や経済の力が強すぎる場所だからです。
むしろ、県北の農山村に希望を見出したい。まだ手付かずのピュアさを残しているからです。
ただ、現状の農山村は問題が集積していて、僕の期待通りに進むことも難しいでしょう。
絶望的な状況には変わりません。
私の予想では、僕自身がそうであったように、これから地方移住する人達が増えたり、
生まれ育った地域に定着する若者が増えると思っています。
そこに可能性を見出したいのです。
私のプロジェクトは、このような事を考えながら、
施主と共に敷地探しから共に進めてきたプロジェクトが多くあります。
展示では、私の世の中に対する欲求不満と、施主と共に形にしてきた理想を建築化する方法をご覧いただきたいと思っています。
展覧会の会場風景です
https://www.flickr.com/photos/jutok/albums/72157719658798427
このように考えるきっかけとなった、僕が見てきたスイスの写真です
https://www.flickr.com/photos/jutok/albums/72157635232435817/
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07:13, Sunday, Aug 08, 2021 ¦ 固定リンク
8/7(土)から8/15(日)まで
「福山ゆかりの現代建築家展2021」が
ふくやま美術館ギャラリーにて開催されます。
私も参加14名の地元建築家の一人として出展させていただきます。
お時間許す方は是非お越し下さい。※観覧無料
8/14(土)に予定されていたシンポジウムはコロナ対応ということで
中止になりました。
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21:21, Sunday, Aug 01, 2021 ¦ 固定リンク
向洋の家の工事で 型枠が外れ、コンクリート躯体が見える段階になりました。
工事の流れの中でも、喜びの一瞬の一つです。
ここに至るまでの流れを簡単に紹介します。
(1) 土地を購入した頃の工事前の敷地の写真です。
クライアントと一緒に敷地探しから行いました。
この木の生えている斜面全てが敷地です。
昔は海に突き出た突端の地勢です。
下の平らな土地の全て昔は海で昭和50年代に 埋め立てられた土地です。
家を建てられる平らな範囲の幅が狭く、両側に斜面を抱えた敷地です。

(2) 地下のコンクリート型枠を脱型した時の写真です。
これは、地下の納戸スペースになります。

(3)1階のコンクリートの打設前の鉄筋工事が進んでいる時の動画です。
(4)2階のコンクリートを打設している動画です。
(5)型枠を脱型した後の動画です。建築の姿がはっきり形として見えてきました。
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10:59, Saturday, Aug 08, 2020 ¦ 固定リンク
2017年7月の沖縄タイムスの記事ですが、辺名地の家でセメント瓦を作っていただいた比嘉良義さんが紹介されています。
辺名地の家の頃、比嘉さんは仕事を辞めようと思われていて、僕が最初に相談した時も、最初はもう作らないと言われていた頃でした。それから半年ぐらい経って、最後かもしれんなと言って引き受けていただけました。
辺名地の家が終わってから、地域からも技術の継承が強く望まれいて、親戚二人が弟子入りして今に至ります。
沖縄で普及した「セメント瓦」 今や工場は1軒だけ 最後の職人「需要ある限り作り続ける」


(転載:2017年7月2日 沖縄タイムス)
沖縄県名護市東江の住宅街にある「比嘉セメント瓦工場」。かつては沖縄各地にあったセメント瓦工場だが、今では唯一ここだけとなった。“最後の職人”の3人は週1回、分業で1日250枚の瓦を汗水流しながら作る。仲間からおやじと慕われる工場長の比嘉良義さん(86)は「いつまで続くか分からないけど、体が動くうちは作らないと。まだ需要はあるんだから」と職人魂をのぞかせた。(北部報道部・城間陽介)
作業は午前7時から昼休憩を挟んで午後3時まで続く。平瓦を渡久地政行さん(77)、比嘉武光さん(73)の2人が、棟部分のアーチ形の瓦を良義さんが担当。手の感覚で丸みをつけるため、熟練の技が必要だ。
セメントを素早く型に落とし込み、形を整え、一枚一枚棚に並べる。丸1日水に浸した後、数日乾かして固める。新築で使われることはないが、修繕用として注文が入るという。
創業は約55年前。16歳で瓦職人を志し、別の工場で下積みした良義さんが兄と独立し、今の場所に工場を構えた。セメント瓦はトタンなどに比べて風雨に強く、赤瓦より安く作れるため、戦後は県内全域に普及。最盛期の1960年代は名護市内だけでも23カ所の工場があったという。特に台風後の注文が殺到した。機械も出始めたが、渡久地さんは「品質は手作りにはかなわない」と話す。
時代が移り、家々は鉄筋コンクリートに変わり、セメント瓦工場は次々に姿を消した。良義さんは「みんな亡くなり、高齢化で続けられなくなった。食べていけないから後継者もいないね」と少し物寂しげだ。
それでも、セメント瓦の家屋は点在する。「必要とする人がいるから作り続ける」。“おやじ”は作業の手を止めずに語った。
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08:43, Thursday, Mar 12, 2020 ¦ 固定リンク
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