2011年 2月21日
(c)Tuomas Xi (http://www.flickr.com/photos/26608745@N05/)
建築家ダニエル・リベスキンド設計のベルリン・ユダヤ博物館。
この建物の中に「記憶のヴォイド」という空間がある。ここにイスラエルの彫刻家メナシェ・カディシュマンの、Shalechet (Fallen leaves)が展示されている。その作品は、床に人の顔をした鉄板が敷き詰めたものとなっている。来館者はこの上を歩くことになる。
この展示を知り,建築とアートが来館者の心と身体に訴えることのできる強度を思い知らされた。 |
03:30, Monday, Feb 21, 2011 ¦ 固定リンク
ETV特集で伊波普猷とおもろの話「深く掘れ己の胸中の泉」を見て、沖縄で設計した辺名地の家のことを思い出しました。
敷地周囲には4カ所の御嶽があって、地鎮祭ではその4カ所を巡りました。基本的に沖縄には日本神道の流れはないのでどうするのだろうと思っていたら、お寺の住職さんによる仏教式の格好で御嶽をまわる地鎮祭でした。
設計時の敷地調査の時から、竣工後に訪れる今でも、御嶽にお参りして心を鎮め、土地の神々に祈願と感謝のお参りを重ねています。土地の神々や先祖たちの声が聞こえてきたり、またこちらの話も聴いてもらったり、とても幸せな土地との会話ができます。
と書くと大げさなと思われるかもしれませんが、僕はそういう気配を感じています。
おもろの響きを聴くと、沖縄の自然とともにある人々の歴史、全てが表現されているように聴こえました。言葉の意味が判らなくても、ゆっくりとした呼吸と旋律から身体に染み入る空気感が漂っています。
御嶽に行くと、たくさんの蝶が舞っていて歩いていると囲まれたり道先案内をしてくれます。土地の先祖や神々に辺名地の家が喜んで受入れられているような気がします。
設計を通じて、自分なりに沖縄のことを理解し、それを表現できたことを嬉しく思っています。
沖縄のように、強いアイデンティティーがある人たちが羨ましい。自分にはそれに対応するようなアイデンティティーというものがありません。
自然とともに暮らし、そこに神々を見て感謝してきた沖縄の暮らしは豊かだと思います。
写真は辺名地の家の裏山の中にある御嶽です。
とても神聖な場所です。辺名地の家の守り神です。
この写真は上の御嶽に続く道、日の光が落ちている場所の奥からが結界、御嶽になります。
こちらは、辺名地の家の前にある御嶽。このでいごの木は沖縄の木百選に選ばれています。
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00:25, Monday, Feb 21, 2011 ¦ 固定リンク
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