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藤本寿徳

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2010年 5月2日

廃墟を住宅に改装する
*クローズアップ現代の少し前の放送「大人気“廃虚”の旅」で
 解説者からの、上の世代は廃墟を見ても価値を見いださず。若い世代は魅力を感じている。
 というような発言がありました。

*自分の父親と、かつて話をした時同様のことを感じたことがあります。
 家作りを考えていた父に対して、予算も少ないというので、僕が提案したのは海辺のプライベートビーチ付きの廃工場を再利用した家作り。市内からの距離も適度に近く遠くという場所。

 僕は、まじめに考えていて、今でもそこの場所を考えるのですが、
 父親は、まったく取り合わず、話どころではなかった。

大きな屋根があるので、その下に適度な広さの室ユニットを離れて並べて家とする。大屋根の下は半屋外の広大なスペース。ビーチを前にして、半屋外を利用した生活のシーンが沢山イメージできる。屋外風呂や日曜大工の工房などの野外活動を一つ屋根の下にまとめることができるのではないかと思っていました。最大の魅力は広さ。


 たしかに、廃工場を再利用して家になるというビジョンを素人がいだけないことや、家に対するイメージからかけ離れていること、地域社会から離れていること(=周りに家が少なすぎる)普通から考えて非常識なこと。
そういう事があるのは判るのですが、廃工場の空間性、物質性に対して、全く魅力を感じていない。

今考えるとそうだったのかと、テレビの発言を聞いて思いました。

*日頃でも結構、そういうギャップを感じることは日常生活で接する人々との間で感じることもあります。

 田舎や農村に居を持つ事。
 古い茅葺き農家、古い建物に対する意識。

新築、ピカピカが普通だとすれば、受け入れられないのも判るのですが、人によっての拒否反応が強い人もいれば、逆に本当に実践している魅力的な人に出会うこともあります。

*福山は、はっきりいって都会に比べて田舎です。

 だから、都会とは違った、価値観。場合によっては豊かさを享受できるのではないでしょうか。

現代生活の利便的、衛生的な生活。それとスローライフや親自然ということが同時に叶えられるということ。

これが、地方の良さだと思っています。

建築を通して表現したいことは、経済発展の中で捨ててきたものを、今これからちゃんと拾い上げることが重要なのではないか。今までの発展のイメージとは違った発展の形があるのではないか。
そういう建築作品が作れる条件に巡り会えれば幸いなのですが。

依頼者の生活と周囲と一体となった豊かな住環境から、こういう地方の豊かさが表現されます。この豊かさが建築の形や空間、佇まいににじみ出るような静かな建築が作りたいと思っているのです。

適度に田舎。これが地方都市の魅力だと思います。
廃墟と親自然(スローライフ)は関係ないようですが、繋がる部分もあると思うのです。

たとえば、こんな廃工場を利用して家作りを考えたら、イメージが膨らみませんか?
写真では跳んでますが目と鼻の先には海水浴客も来ないプライベートビーチがあります。

中尊寺金色堂の鞘堂(さやどう)のように、大屋根の内部にもう一軒家をつくれば、いいことが沢山あると思うのです。
中尊寺の鞘堂は700年金色堂を守ってきたわけですし、僕の好きな三仏寺投入堂の上部に張り出した岩も天然の鞘堂といえます。家に必要とされる防水、防風雨、プライバシーを鞘堂が守ってくれるわけで、内部の家の自由度が増します。





こちらは、山にへばりつく編





*廃墟の再利用に関心を寄せる依頼者さんをお待ち申し上げております。
 こういう仕事は大歓迎です。

11:47, Sunday, May 02, 2010 ¦ 固定リンク


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