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2008年 6月23日
高校生の頃に映画監督になることに興味を持ち、映画館で年間100本以上は見ていた時期がありました。その頃のミニシアターブームの影響を受け、数多く見ていると好みが定まってきて、フレディ・ムーラー、ビクトル・エリセ、ダニエル・シュミット、エリック・ロメールなどの静かな叙情詩的な映画に惹かれていきました。
建築の道に進んでからは、一切映画を見なくなった(足を洗ったと言い聞かせた)のですが、最近はスタッフがレンタルしてきたDVDを勧められるがままに見ることがあります。先日、河瀬直美の「萌の朱雀」を見て衝撃を受けました。
彼女のカンヌでの活躍はニュースで聞いていたのですが、映画から足が遠のいたこともあり見る機会がありませんでした、11年前の作品を今さらですが初めて見たわけです。
先に挙げた監督たちの作品より感動したのは、日本ならではの美しさが描かれているため、より心に伝わってくるものも大きいのだと思います。静かさと緊張感が続く全編、最初から最後まで全ての時間が完璧だと思います。自分と世代も同じ彼女の20代の長編処女作だと知り、その才能に驚愕しています。
学生時代からの短編作品なども含まれたDVDボックスも発売されているので、これから彼女の全作品を見たいと思っています。
映画を見た後、鎌倉円覚寺にある小津安二郎のお墓で撮った昔の写真が見たくなり、写真を引っ張りだしてきたのですが、ずいぶんと年を取ったものだと実感します。墓石には「無」の一文字が刻まれています。円覚寺には寿徳庵という塔頭(子院)があります。同じ名前なので喜んだものです。
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23:46, Monday, Jun 23, 2008 ¦ 固定リンク
先日木本一之さんから、日展に出品されているとご案内いただき、ふくやま美術館で開かれている「日展 福山展」に行ってきました。ジャンルが「日本画/洋画/彫刻/工芸美術/書」に分かれて展示されているのですが、366点の作品が展示されているそうで、美術館全体を使った大掛かりなものでした。
木本さんの作品は工芸のコーナーに。彫刻ではないのかと?マークがつきましたが、新しい表現の彫刻は工芸にジャンル分けされているようでした。力強くシンプルな造形です、鉄のイメージからくる暴力的な力強さは木本さんの手で理性的なものへと抑制されていると感じました。エッジが手が切れる程にとんがっていたらまた印象も違うだろうと思いますが、見比べてみたい気持になります。
他には友定聖雄さんのガラスの彫刻が、小口が綺麗に磨かれたガラスを積層させたシャープな造形で建築的な作品が印象に残りました。6/29(日)が最終日です。 |
23:11, Monday, Jun 23, 2008 ¦ 固定リンク
「卵熱」 「しじま」 「ゆらぎ」 「ひよめき」
「ひびき」「かげみ」 「うつり」 「とき」
これらは山海塾の作品のタイトルです。毎回タイトルの発表が気になるのですが、新作のタイトルは「とばり」です。秋に山海塾の国内ツアーがあります。
僕が山海塾のダンスからインスピレーションを受けるのは、時間と空間、精神と肉体が微妙に振動する様なのですが、毎回注意深く選ばれた綺麗な単語でダンスを表現していることに感心します。
初めて山海塾の公演を見たのが、確か90年の3月末に渋谷で見た「しじま」だったと思います。その後の国内公演は毎回見てきましたが、いつのまにか、もう20年近くになってしまいました。
山海塾は基本的に新作の発表は2年毎、公演は1年は海外に、一年を国内に交互にあてているので、国内で見れるのは2年に一度になります。
今回は北九州の「とばり」と琵琶湖か高知での「とき」の公演に行く予定です。
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22:18, Monday, Jun 23, 2008 ¦ 固定リンク
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