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藤本寿徳

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福山の地震と古建築(加筆修正改題)
「活断層研究24号」より抜粋して転載

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広島県南東部における地震に関する歴史記録は、新収日本地震史料補遺(東京大学地震研究所編,1988)では「永正七年八月八日(西暦1510年9月21日)に備南地方大地震アリ〔備後福山藩編年史料〕」と記載されている.
ただしこの記録の内容を他の史料から裏付けることはできず,この記録の信頼性や長者ヶ原断層の活動との関係性については,今後の検討課題である

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1510年、ちょうど500年前はどういう時代かというと、室町時代後期、10代将軍足利義稙のころになります。福山はというと、備後国の守護、 山名致豊という人が治めていた時代です。
福山城はまだできていなくて、完成はその約100年後1622年です。

     1510年は
      室町時代後期 戦国時代
             備後国守護1499年〜1512年 - 山名致豊
             10代将軍足利義稙のころ
      福島正則 広島藩慶長5年(1600年)〜元和5年(1619年)
      初代福山藩主水野勝成の入封は元和5年(1619年)
      福山城の完成は元和8年(1622年)
  
1510年に大地震が起こっていたとしたら、以下にあげる福山の古建築は
この大地震を生き抜いたことになる。修理記録などが残っていると
歴史の証人になると思います。

    建造物:1510年以前の建造物
      (尾道)国宝・浄土寺多宝塔 元徳元(1329年)鎌倉後期
      (尾道)国宝・浄土寺本堂 真言宗泉涌寺派
                正中2(1325年)火災、
                嘉暦2(1327年)
                貞和元(1345年)南北朝に再建
      (福山)国宝・明王院本堂 真言宗大覚寺派
                元応3(1321年)鎌倉後期
      (福山)国宝・明王院五重塔 貞和4(1348年)室町前期
      (三原)重文・仏通寺 臨済宗佛通寺派
              含暉院地蔵堂 応永13(1406年)室町中期 
      (尾道)重文・常称寺 時宗 本堂 室町中期 

      参考
      (福山)重文・太田家住宅 18世紀中期の建築
          http://ja.wikipedia.org/wiki/太田家住宅_(福山市)

(脱線した注釈) *福山で500年残っている建物はお寺しかなく、
           民家は残っていない。
         *考えてみれば当然と言えるが、安普請の民家が
          残るはずもなく、残るとしたらお金をかけたものに
          なるだろう。
         そういう意味でお金がかかっている鞆の太田家住宅でも、
         500年の半分250年位前の建物である。と言いたい
         (6年かけ保存修理事業を行っているが)
          =ちなみに、日本最古と推定される民家は
          箱木家住宅で、806年建設と言われている。
          だとしたら、1205年前の民家である。
          しかし、実際に当初材の柱の年代測定をしたら、
          1283-1307年(鎌倉時代後期)に伐採された
          木が使われていることがわかったという
          そうだとしたら、築700年程度。
          http://ja.wikipedia.org/wiki/箱木家住宅
         *民家は、何年残るのだろうか?
          という日頃の疑問がある。
          (僕の設計したものは残ってもらいたい)
          国の政策で200年住宅という言葉が一時出たが、
          今見れる200年住宅は、太田家住宅である。
          200年前からこの政策があれば、
          現代はどこもかしこも太田家住宅だらけになる。
          なんか変だなと思う。
          *木造住宅で使われている柱は、材齢30〜60年
          程度の材が使われている。
          法隆寺を例にとって、
          木造だからという理由で単純に木造は長く残る
          と信じている人がいたら間違いである。
          材齢がたかが50年の材が1000年残ると思えない。
          虫食いだらけの柱になる。
          といって木造建築を批判したいわけではない。
         
         
話は元にもどって、

なんで、こういうことを気にするかというと、福山にある長者ヶ原断層は研究によると
「確実度Iで活動度Bの長さ10kmの活断層」であると報告されています。

この「活動度Bの活断層」とは何かというと
平均変位速度が10cm〜1m/1000年であることを指し、

平均変位速度と活断層の長さから、地震の周期の目安が立つと言われています。

その目安として
 「B級活断層で長さ20kmのものは、周期2,000年」とされています。

なので、1510年、500年前に長者ヶ原断層が動いたと言えれば、10kmの長さなので、20kmの値より短くなるのですが、だいたい1000〜1500年ぐらいは安心しててもいいのかなと思いたいからです。

他にも福山市には、まだ活断層が二つあるとされています。
鞆断層と福山北断層です。長者ヶ原断層だけでなく他の断層の研究が進む事を願っています。

福山市のホームページによると、福山の断層で起こる地震以上に、最近起こった地震の震源である、中央構造線(石鎚・岡村断層)
で起こる地震の被害が甚大になると警告されています。
(http://www.city.fukuyama.hiroshima.jp/soumu/bousai/saigai.html)

「平成9年6月、広島県が実施した県内の地震被害想定調査結果が発表されました。 それは、県内に多大の影響があると考えられる4つの地震を想定し、その地震 が起こった場合の被害想定をまとめたものです。
それによると、福山市では四国の中央構造線(石鎚・岡村断層)を震源とす る地震が起こった場合に、最も被害が大きく、震度5弱から震度6強の揺れと なり、建物の全半壊約6万4千戸、死傷者は約1千3百人、り災者は約13万 3千人と予測されています。
鳥取県西部地震や芸予地震においては、福山では震度5が観測されましたので、震度5の揺れは多くの市民の皆さんが体験されたことと思います。それを上回る揺れが あると先の被害想定結果は予測しています。」

ちゃんと行政も、このように注意を促しているので、注意していていいのではないかと思います。

この広島県、地震被害想定調査報告書はネットで閲覧できます。ありがたいものです。
http://www.pref.hiroshima.lg.jp/www/contents/1181640340970/files/gaiyouban.pdf


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過去、関連ブログ記事

25-福山の地震と古建築(再掲)
http://www.jutok.jp/cgi/blog/blog.cgi/permalink/20110119111357

24-中央構造線 & 4022ガル
http://www.jutok.jp/cgi/blog/blog.cgi/permalink/20110119101729

23-H22/3/28広島県南東部を震源とする地震について
http://www.jutok.jp/cgi/blog/blog.cgi/permalink/20100329090219

22-福山市の活断層(長者ヶ原断層)
http://www.jutok.jp/cgi/blog/blog.cgi/permalink/20100120184537

21-福山市津波・高潮ハザードマップ
http://www.jutok.jp/cgi/blog/blog.cgi/permalink/20100120124118

20-広島県地震被害想定調査報告書
http://www.jutok.jp/cgi/blog/blog.cgi/permalink/20100120122805

19-2010/1/13〜14にかけての寒波
http://www.jutok.jp/cgi/blog/blog.cgi/permalink/20100115004621

18-金物が強くても
http://www.jutok.jp/cgi/blog/blog.cgi/permalink/20091102171847

17-7月の気温
http://www.jutok.jp/cgi/blog/blog.cgi/permalink/20090817083352

16-台風被害
http://www.jutok.jp/cgi/blog/blog.cgi/permalink/20090810135239

15-備忘録(防災科学技術研究所)
http://www.jutok.jp/cgi/blog/blog.cgi/permalink/20090810100305

14-備忘録(土砂災害ポータルひろしま)
http://www.jutok.jp/cgi/blog/blog.cgi/permalink/20090730090331

13-備忘録(平成21年7月中国・九州北部豪雨)
http://www.jutok.jp/cgi/blog/blog.cgi/permalink/20090723071238

12-備忘録(全国地震動予想地図)
http://www.jutok.jp/cgi/blog/blog.cgi/permalink/20090710181038

11-備忘録(宮古島、伊良部、久高)
http://www.jutok.jp/cgi/blog/blog.cgi/permalink/20080902183834

10-集中豪雨
http://www.jutok.jp/cgi/blog/blog.cgi/permalink/20080829103400

9-備忘録(風)
http://www.jutok.jp/cgi/blog/blog.cgi/permalink/20080829001154

8-備忘録(降水量)
http://www.jutok.jp/cgi/blog/blog.cgi/permalink/20080828232219

7-アメダスデータの気温グラフ
http://www.jutok.jp/cgi/blog/blog.cgi/permalink/20080825133621

6-備忘録(人口)
http://www.jutok.jp/cgi/blog/blog.cgi/permalink/20080725232928

5-(備忘録)K-netデータ-福山
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3-備忘録(地震)
http://www.jutok.jp/cgi/blog/blog.cgi/permalink/20080724124220

2-今日は猛暑日
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11:13, Wednesday, Jan 19, 2011 ¦ 固定リンク

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